幼なじみと一途な恋愛



圭吾くんが、呆然とする山里君に、追い討ちをかけるように言う。



「山里くん、知ってたー?燈弥とまりあちゃん、知り合いどころか、昔からの幼なじみなんだよ」


「っ!?」


「まりあちゃんは、ずっと昔から燈弥しか見えてないんだよ。燈弥のこと、一番よく分かってるまりあちゃんに燈弥の嘘の悪口なんて言ったって、信じるわけないじゃん。腹ん中で人をバカにしたようなことしてるから、こんなふうに痛い目に遭うんだよ」



そして、圭吾くんは「今度手ぇだしたら、燈弥同様、俺もお前潰すから」とつけたした。



その言った圭吾くんは、普段の人懐っこくて明るい圭吾くんからは想像できないくらい、怖かった。



燈弥と圭吾くんて、元ヤンなのかな……。

なんて、思ってしまった。



「……まりあ、来い」


「え……」



気づいたときには、私は燈弥に腕を引っ張られていた。






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