幼なじみと一途な恋愛
「これ……」
ヒヤッとしたものは、濡れたタオルだった。
「今日保健の先生いないから、それで我慢して」
燈弥はそう言うと、もう1枚タオルを濡らすために、水道に向かった。
「氷ねぇな……って、お前何で泣いてんの?」
濡れたタオルを片手に、燈弥が私を見て驚いたように言う。
「燈弥、怒って……ひく……ないの?」
涙でうまく言葉にならない。
「は?なんで」
「だって……私、迷惑……っ……かけちゃって……嫌われちゃったかもって……」
途切れ途切れにそういうと、燈弥は濡らしたばかりのタオルを私の頬に当てた。
「燈……」
「迷惑なんか、いつもかけられてるし。こんなんで嫌いになんねぇよ」
燈弥は「少し腫れてんな」って、タオルを優しく私の頬に当てる。