幼なじみと一途な恋愛
いつもは冷たい燈弥が、今はすごく優しい。
嬉しくて、胸がキュンとして……。
また涙が込み上げてくる。
私の頬にタオルを当てたまま、燈弥が言う。
「大人しくしとけって言ったのにな」
「……だって、ムカついたんだもん。燈弥のこと悪くいう山里くんが」
苛立ちを押さえられなかったんだ。
ダメだと分かっているのに、体が言うことを聞かなかった。
「燈弥が助けてくれたから、殴られたって平気だったよ」
燈弥のことで、他の人に殴られようが、何されようが気にしない。
なんだかんだいって、燈弥が側に居てくれる。
それだけで、辛いことも乗り越えられる。
「お前な……いつも助けられると思うなよ?今回は翔が教えてくれたからよかったけど」
あ、そうだった。
あとで翔くんにお礼しないと。