野球部のあの人
学校からの帰り道、紗起と二人並んで歩く
小学校の話から紗起の初恋の人の
話へとかわった
「ねぇ、小学校ん時、
うち山田君好きやったやん?
あれ諦めてよかったなぁ……
って思ったんだ」
山田君とは小学校6年生の時に
同じクラスだった紗起の
初恋の相手である
『何でそう思ったの??』
「山田君ってカッコいいじゃん?
だからファン?みたいな人が今日
だけでたくさんできてたんだよね…
まぁもう好きじゃないけどっ、
ってか弥生は?初恋まだなんでしょ?」
うっ、痛いとこ刺すんだから…
『私の初恋はまだまだ先だと思うな』
何て言うんだろ…
好きっていう感情が、わからない。
紗起のことは好きだけどそれは友達にたいしての好きであり、男の子な恋心を抱くことはなかった