ミッション#メロンパンを争奪せよ!
「離して…ほしいんだけど。」

「俺は質問答えてほしいんだけど?」

「…強制?」

「強制。」

彼は私の言葉に静かに答えていく。


「………別に何もないけど。」

「嘘ついたらずっとここにいてもらうけど。」


ああ

もう





なんでそんなに私を嬉しくさせる?

その言葉で前の私は飛ぶように喜べたのに

今は素直に喜べないよ

そんなことだってできないの



弱虫と
自分を責めるたび
認めたくない私は

あなたを責める



「何が聞きたいの!?なんかあったって、なんもないよ!!」

「じゃぁなんでメロンパン追いかけなくなった?」

「私の勝手じゃんそんなの…唯人君も敵がいなくなっていいじゃん?」


「…。」

急に黙る唯人君。

「もう離して」「俺は」

二人の言葉が重なる。



「…俺は新島が勝負を挑んできて…楽しかったんだよ。」


ドキ


心が揺れる




うるさいよ
うるさいよ

心臓も唯人君も全部全部うるさい




「そんなの知らない!!いいかげん離してよ!!もう私に関わらないで!!!!」




強引に腕を振り払って走って


荷物も持たずに学校を出た




もうやだ

最近私は逃げてばっかりだよ


辛いよ


< 100 / 237 >

この作品をシェア

pagetop