ミッション#メロンパンを争奪せよ!
「あ!紗緒、次理科だよ!」
「え、そだっけ?」
「うん、移動移動!」
皆がバタバタと用意をする。

え、っと。
あれ!?
あれ、ノートどこだ!?

「サーちゃん!まだぁ!?」
「の、ノートが…。」
「先行ってるね!」

ノートがやっと見つかり、少し先に行った皆を追いかける。


…そのときだった。



ドンッ、と誰かにぶつかる。

私の荷物と、相手の荷物がちらばる。


「ご、ごめんなさい。」
「気をつけなさいよ!」

その声には聞き覚えがあった。
私は自分の荷物を片付けながら相手の顔を確認する。


…………辻原麗華。


辻原さんはササッと荷物を持ち直すとすぐに理科室へ行った。


「わ、私も行かなきゃ。」
よっ、と立ち上がった時。

足元に何かが転がってた。



『REIKA』
そう彫られた、オリジナルっぽいピンクのシャープペン。


…辻原さんのだ。


そう思った瞬間。


キーンコーン…
「ちゃ、チャイム!」

思わずシャープペンも一緒に理科室へ向かった。

< 106 / 237 >

この作品をシェア

pagetop