ミッション#メロンパンを争奪せよ!
「ちょっと!!返しなさいよ!!!」
新島の左手に握られたシャープペンをとり返す。

「ホントに非常識ッ。人の物勝手にもってっちゃうとか!」

「…弁当ひっくりかえすのも非常識だと思うけど?」

「は?そんなんどうでもいいのよ。」

「…。」

新島は黙ったと思うとアタシのシャープペンを奪った。



「なッ…」
「ふざけんな。」

新島はそう言ったかと思うと、スタスタと教室へ向かっていく。


「待ちなさいよ!返せ泥棒!!!」
アタシは新島の腕をぐいっと掴んだ。

すると新島はポイっとシャープペンを投げた。

「あっ!」
アタシは急いでシャープペンを落ちない間に掴む。


「なにすんのよ!!」
「元落ちてた場所に返してあげただけだけど?」
「ふざけないでよっ!」
「そっちだってふざけないでよ。何?とられたって思ったの?拾ってあげただけだし。そんなに大事なら落とさなきゃいいじゃん…。」


新島は怒ったように、切ないように、そう言った。


「…なんでもかんでも人を疑う。可哀そうな人ですねー。」


新島はそう言って、その場を去った。



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