ミッション#メロンパンを争奪せよ!
「紗緒、手紙なんて、古いわよ!!」
ずいっ!と杏の指が、目の前まで迫る。

「…そうかなぁ?」
私は手紙、好きなんだけどな。
一文字一文字に感情がこもってて。

「手紙で呼び出すのはまだいいけど、直接伝えた方がいいわよ!」

「…メールで告った人に言われたくないんですけどォ!」

「そそそ、それは!か、かのj…元、彼女さんに疑われちゃうじゃん!春真が!!それは迷惑だなぁって思ったんだもん!!」

「言い訳じゃん!」

「うるさいなぁ、もう!!」


ギャーギャーと二人で言い合いする。
現在朝の通学路。


「…あたしは意気地無しだったから、伝えることはできなかったけど…。でも、直接伝えたほうがいいのは確かだよ。大切にしたい想いなら…。」


杏のまっすぐな目をみて、心にズギャァンとくる。



「…斎藤君の幸せ者。」


両想いでも片想いでも
やっぱり恋する乙女って可愛い。


「なんか言った?紗緒?」
「ううん、なんでも。」

「そう?」


「杏ありがとっ。行こ!!」



杏の手を掴んで学校へ走る。
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