ミッション#メロンパンを争奪せよ!
はぁっ はぁっ はぁっ
「…もぉ、唯人君、やっぱり速い。」

今日のメロンパンも唯人君の物。


「今日新島なんか遅かったよなー。」
ニッ、てこっちを見る唯人君。

そう。
今日はカフェオレさえ飲めず。
今竹友センパイが飲んでる。


…そりゃぁ。
今日は、どきどきしちゃったから。


心臓が、いつもよりうるさかったから。



き、緊張する。
手紙を渡すだけなんだけど。


でもひいちゃいけないっ。

仲間がいて
手紙があって

準備はもうバンタンでしょ。


いつ渡すの?


今でしょ!!



「ゆ、ゆぃ「高梨君!!!」


私の言葉に、誰かの言葉が重なる。



「ちょっと、いいかな。」

そこに居たのは
綺麗な黒髪ショートで
上靴の色は私と同じ。
同じ学年って事だ。

名札を見れば

…佐藤愛華


って

『Bクラスの佐藤愛華。あの子、唯人の事狙ってるよ。』


佐藤愛華あああああああ!!!!!!



激可愛いいいいいいいいいいいい!!!!




い、いや待て。
唯人君はそんな容姿を気にする人ではない。
そんな人なら桜木さんを手放さなかったはずだ。

大切なのは中身だろう。
うん、そうだ。


で、でも。
あの様子は絶対告るだろう。


「…何。」

「ちょっと、来てくれないかな。」



二人はスタスタとどっかいった。



唯人くうううううううん!!!


い、いっちゃった。
どうしよ、どうしよ。
このわずかな時間の差が、結果に関係しちゃったらぁ…。


き、き、気にすんなぁっ!!
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