ミッション#メロンパンを争奪せよ!
…とか言いながら。
こっそり、二人のあとをつけると。
二人は人のいない昇降口で止まった。
今まで前を向いていた佐藤さんが
振り向いて唯人君を見つめた。
「た、高梨君。」
「…。」
唯人君はひたすらに無言だった。
きっと今から、何を言われるのかくらい理解しているだろう。
唯人君は無愛想だけど無情ではない。
何も言わせないまま会話ぶった切ってフるとかそんな真似はしない。
それとも、オッケーするから何も言わないのか…?
どきまぎしていると
佐藤さんの口が開いた。
「好きです!!あたしと付き合ってください!!!」
彼女はうつ向いていて、目をぎゅっとつぶっていた。
続く沈黙。
唯人君の口がゆっくり開く。
「ありがとう。」
「「えっ」」
彼女の声と私の声が重なる。
ギリギリ小声だったため、聞こえてない、と、思う。
オッケーしてくれるの?
彼女の目が少し輝く。
オッケーしてしまうの?
私の心に不安がたまる。
「…でも、今は…。誰とも付き合う気、ないから。ごめん。」
頭が殴られた気がした。
「…ッ、そっ、か。ごめんね!時間使っちゃって。じゃ、ぁ…またね…。」
彼女の声がみるみる弱くなって。
パタパタと彼女はこの場を去った。
しっかりは見ていなかった。
でもきっと彼女は泣いていた。
私は頭真っ白のまま何も考えられなかった。
こっそり、二人のあとをつけると。
二人は人のいない昇降口で止まった。
今まで前を向いていた佐藤さんが
振り向いて唯人君を見つめた。
「た、高梨君。」
「…。」
唯人君はひたすらに無言だった。
きっと今から、何を言われるのかくらい理解しているだろう。
唯人君は無愛想だけど無情ではない。
何も言わせないまま会話ぶった切ってフるとかそんな真似はしない。
それとも、オッケーするから何も言わないのか…?
どきまぎしていると
佐藤さんの口が開いた。
「好きです!!あたしと付き合ってください!!!」
彼女はうつ向いていて、目をぎゅっとつぶっていた。
続く沈黙。
唯人君の口がゆっくり開く。
「ありがとう。」
「「えっ」」
彼女の声と私の声が重なる。
ギリギリ小声だったため、聞こえてない、と、思う。
オッケーしてくれるの?
彼女の目が少し輝く。
オッケーしてしまうの?
私の心に不安がたまる。
「…でも、今は…。誰とも付き合う気、ないから。ごめん。」
頭が殴られた気がした。
「…ッ、そっ、か。ごめんね!時間使っちゃって。じゃ、ぁ…またね…。」
彼女の声がみるみる弱くなって。
パタパタと彼女はこの場を去った。
しっかりは見ていなかった。
でもきっと彼女は泣いていた。
私は頭真っ白のまま何も考えられなかった。