ミッション#メロンパンを争奪せよ!
「先輩…。」
私にはそんな風に呟くことしかできなくて。



心の中で戸惑っているんだ。
この行動に戸惑ってるってよりかは

…唯人君と、迷ってしまっている。



私にはそんな偉そうな事言えない
言う権利なんて無い

二人を比べ
二人のどちらかを選ぶ

そんな事できる立場に居ない



でも私は辛かった

叶わない恋が辛かった



彼の顔がよぎる
『誰とも付き合う気、ないから。』
胸がしめつけられる



先輩

貴方が許してくれるなら
私は貴方に甘えたい

貴方が許してくれるなら
私は貴方を逃げ場所にしたい



現実から逃げてしまおうか…?



もう考えたくなかった

頭に浮かぶ彼を振り払いたかった。




「先輩…!!」

ごめんなさい、先輩
貴方を逃げ場所にして。

ごめんなさい、唯人君
貴方に勝手に恋をして、勝手に諦めて。



私は勢いに任せて
先輩の背中に手をまわした


私も全ての気持ちを振り払うように


ギュッと先輩を抱きしめた




< 170 / 237 >

この作品をシェア

pagetop