ミッション#メロンパンを争奪せよ!
ドクドクドクドクドクドク…
ドキドキドキドキドキドキ…

二人の鼓動が重なるのが分かる。




二人とも、沈黙のまま
ひたすらお互いのぬくもりに触れていた




「…紗緒ちゃん…。」
先輩の微かな声が聞こえた。

私はあえてそれに答えなかった。




スッ、と力が弱まる。
私も力を緩めた。

先輩の顔を見上げた。



ゆっくり

ゆっくり


顔が近づく



後頭部に
先輩の
大きな手が
優しく触れた


…逃げ、られ…ない?


グイっとひかれた。
これって…やっぱり…。



先輩の唇が近づいて
キュッと目を閉じた



もうどうなってもいいと
一瞬そう思った




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