ミッション#メロンパンを争奪せよ!
ミッション終了
本日のその後
空が、夕焼け色に染まる。
「帰るか?」
「うん…。」
私がそう頷くと、唯人はすっと手を差し出してきた。
私はその手を、少しためらいながら握った。
温かかった。
一瞬、呼び出されたお昼の泣いてる桜木さんを思い出した。
けど、唯人の顔を見たら一瞬で消えた。
唯人の横顔が、すごく綺麗で、うっとりする。
そして繋いでる手を見て、思わず泣きそうになる。
あんなに想っていた人の手が、ここにある。
私の手を、握ってる。
貴方を好きになってから幾つの時がたったのかな。
こんな未来なんて絶対思い浮かべられてなかったかな。
たった一歩踏み出せばこんなに幸せなんだね。
「!、紗緒?」
「あ、いや…なんかちょっとね。」
泣いてる私を見て、唯人はニコって笑って私の頭をなでた。
その手がとても、あったかかった。