ミッション#メロンパンを争奪せよ!

<紗緒サイド>


ただ二人、あまり話さず

だけど、手は繋ぎ


帰り道を歩いた。



嬉しかった。

手に伝わるぬくもりが。


ひたすら嬉しかった。




そんな喜びに浮かれていると



「紗緒、家。」

「え?あっ…。」


私の家が目の前にあった。





あ、そっか。送ってくれてたのか…。



「…あれ?家、教えたっけ?」

「一回、一緒に帰った時あっただろ。俺っちがここずっと行ったトコだから、必然的に紗緒の家の前通る事になるから、そん時にここで別れたじゃん。」

「あ、そっか!」


へへっ、て笑って、繋いだ手を離す。

あーあ、なんかもったいない…。


「…じゃぁね、唯tッッッッ!」



最後に

さよならのキス




「ンッ、……ぷはっ!」

「じゃぁな、紗緒。」



「い、いきなりしないでよバカー!!」


ニヤニヤと悪戯な笑みを浮かべて、唯人が去っていく。



その背中を、ずっと見続けた。






…その後、一部始終を見ていた母に事情聴取をされるのは言うまでもない。


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