ﾐｯｼｮﾝ＃メロンパンを争奪せよ！

「あたしさー、最初、紗緒の事話しかけづらい子だと思ってたんだよねー。」

う。
杏の言葉が胸に刺さる。

「す、すいません…。」
「え、なんで謝るの！？」

だって…。

「なんか、あたしみたいな奴が近づいちゃいけないと思ったんだよね。クールで、かっこよくて、自分ってものをしっかり持ってる人だと思ってたんだ。」

杏の中の私…現実とかけ離れ過ぎていないか！？

「でもさ、一昨日。高梨と一緒にメロンパンに向かって言った時はビックリしたよ！そんな事のために、全力疾走する様な人じゃないと思ってたから…。そん時から、興味がわいてきたんだ。昨日は髪型変わってるし、ああ、あたしのイメージ間違ってたんだって思って。知りたくなったの、紗緒の事。」

そう言って、にひって杏は笑った。


「じゃぁ…。」

私はそう言って、自分のことを話し始めた。
杏は優しく聞いてくれて、とても心地が良かった。

自分の事をあまり話したことはなかったけど…


理解してくれるって事が
こんなに嬉しいなんて知らなかった。