ﾐｯｼｮﾝ＃メロンパンを争奪せよ！

「ふ、ふ、ふざけてないですけど、すみませんっ！！」
謝んなきゃ。謝んなきゃ。謝んなきゃっ…。
唯人君がギロっとにらむ。
こんな怖い目見たことないよ…。

「あのさぁ、本気で俺に勝つ気でいるわけ？」
「…います！」
後ろを追いかけるだけじゃダメだとは思ってるもん。
抜かして、目の前でメロンパンを奪ってやる。
唯人君はどうせ諦めないでしょ？
私に勝とうと、頑張ってくれるでしょ？
目的に、私という要素が出てきてほしいから。
奪ってやる。

「じゃぁ、俺の前でもいってみろよ。なんで俺の前だったらエラソウだと思う事を、他の人だと言えるワケ？嘘って事？ホントはメロンパンなんてどうでもいいって事？」

「…は？」
い、いってる意味が…。
唯人君は何に怒ってるの？
えっと、つまり…。
あたしがメロンパンをほおばって見せるって言った事を怒ってるんじゃなくて、あたしがそう言った事を唯人君の前では謝った事を怒ってるって事？

「本気だったら俺の前でも誰の前でもメロンパン食ってやるって言えよな。本気でもねェやつにメロンパンなんて手に入れられるか。俺がんなことゆるさねェ！メロンパンに失礼だろうが！！！」

……………ん？