ミッション#メロンパンを争奪せよ!
「なに晴彦クン、シカトしちゃってるワケ?アンタ何エラそうぶってんの?調子乗ってんじゃないわよブス。」

エラそうぶってないし
むしろエラそうぶってんのお前だし
ブスとかもう承知済みだし

「アンタみたいな女に晴彦クンが話しかけてくれてるなんてめったにない事なんだよ?」

なくていいんですけど。

「ナニ晴彦クンの優しさを踏みにじっちゃってるワケ?」

あれは優しさじゃないと思うんですけど。


「マジ信じらんなーい!」


そこから


きゃぁきゃぁきゃぁきゃぁと
ぎゃぁぎゃぁぎゃぁぎゃぁと


辻原軍団が私の周りで騒ぎ続ける。




面倒くさいからそれにも反応しなかったら
ついに辻原がキレた


「ちょっとォ!このアタシの話までシカトしようっての!?」


そう言って辻原は手で私のお弁当をぐいっとスライドさせ


「あ。」


床に落とした。


大好きなコロッケ(冷食)あったのに…。



「ちゃんと話聞きなさいよ!」



カチィン…






気付くと私は立ちあがっていた。

動いた椅子の衝撃で2人くらい転んだ。

そんなん知らん。



「あああああああああああああもおおおおおおおおおおお!!!!!」


新島紗緒、叫ぶ。


「うっさいんだよいちいちぃぃぃぃぃ!!そんなに田中が好きなら勝手に告って勝手にラブってリア充爆発しやがれこのやろーがああいちいちわたしにあたってんじゃねええええええ!!!迷惑してんのはこっちなんだよおおおおお!!」


辻原麗華、びっくり。


「なにこれなんの騒ぎー。」


ちっ、KY野郎が。

「おい田中お前もちゃんと聞けやコラ」

「は、はい」

急におとなしくなってやんのー、ビビりが!


「勝手に話しかけてきたのは田中のKY野郎なんだよオイ聞いてんのか辻原ァァァ!!もう田中も辻原もいちいちいちいちうっぜぇんだよ!!メロンパン追いかけようが追いかけまいが勝手だろうが!!!いちいち人の踏みこまれないとこにずかずか入ってくるんじゃねェよ!!!いいかもうお前らうぜえんだよ!!もう私に関わんな!!!」

それだけ叫ぶと落ちたお弁当を拾って教室から出た。



…教室を出てから階段をおりても、クラスからは声一つ聞こえなかった。





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