【B】(第一夜完結)Love around ※第二夜準備中
時計をチラリとみると8時15分。
ヤバスギっ。
急いで車から飛び出すと乱れる髪が気になりながらも
一気に院内へと駆けこんだ。
院内に入ると、早歩きに切り替えてステーションの方へ。
「すいません、今日からお世話になります。
塔矢です」
中から姿を見せたのは二人。
「塔矢さん、少し来るのが遅いですよ」
「大変申し訳ありません。
朝の渋滞がここまで酷いとは思わなくて」
「明日はもう少し早く出勤してくださいね。
私は、水谷結夏(みずたに ゆか)。
このステーションを預かっています。
こちらは、貴女を指導する殿村(とのむら)さん。
さぁ、すぐに着替えて仕事を始める準備をしてきてちょうだい。
殿村さん、後はお願いね。
朝のミーティングの前に、
ケアセンターからの連絡事項を確認してきます」
「はい。
今日から貴女の指導役になる殿村です。
どうぞ、宜しく」
そう言った少し年上の女性看護師さん。
「塔矢です。
宜しくお願いします」
「では更衣室に案内します。
こちらが今日から着用して貰う鷹宮のユニフォームです」
手渡された真新しいユニフォーム。
前ボタンに、大きな襟がポイントの
ワンピースタイプのユニフォーム。
ポケットはウエスト付近と胸元に。
薄い水色と薄いピンクの2種類で、
袖口には……何かのキャラクターが
十字架を握っている刺繍が縫いとめられていた。
案内された更衣室で、真新しい水色の制服に袖を通して
いつものアイテムをポケットの中に詰めていく。
ロッカーに荷物を詰め込んで、
鏡の前で髪型を手櫛で整えると
そのままステーションの方へと急いだ。
私の自己紹介の後、朝の申し送りを初めて暫くすると
ドクターコートの集団がステーションへと顔を出す。
その途端にひそひそと黄色い歓声があがる。
「水谷さん、遅くなりました」
そうやって声をかけた一人はちょっぴり寝癖が残った、
ガタイのしっかりしたタイプ。
「安田医師、時間通りですよ。
どうぞこちらへ」
水谷さんに促されるままに、
ズラズラと入ってくるドクターコートの主たち。