【B】(第一夜完結)Love around ※第二夜準備中
「さぁ、李玖。暫くは此処で生活するのよ。
李玖の一件を心配した水谷さんが、鷹宮の院長先生に話を通してくださって
少しの間、こちらのマンションで生活出来るように手配してくださったのよ。
ほらっ、我が家はまだ少し帰るの怖いでしょう。
住所を知られてしまっているもの」
そう言って心配そうに表情を浮かべるお母さんに、
私は静かに頷いた。
先生と先生の親友に出逢ってその優しさに触れた。
そして……忘れたい記憶。
まだ全てを吹っ切ることもすぐには出来そうにないけど、
私も少しずつ逃げるではなくて、前に歩き出せるような気がした。