【B】(第一夜完結)Love around ※第二夜準備中





俺が慌てて車を飛ばして材木倉庫を目指す。



無事で居てくれ。
ただそれだけ祈りながら。





俺が到着した時、何台かの警察車両が止まっていた。

警察官をさける様にして、中へと入りこむ。





するとアイツが倒れていたあの場所に、
誰かが倒れているのを感じた。




「香穂っっ。ったくアンタ、本当に何やってるのよ」

そうやって叫びながら、何かをしている塔矢。




「塔矢、大丈夫か……」


慌てて駆け寄ると、横たわっていたのはあのリスカ女で
塔矢は必死に脱いだ洋服で彼女の体を押さえていた。


「どうした?」

「10分ほど前、香穂が手に持っていた包丁で香穂の腹部を刺しました。
 出血が止まらなくて。

 だけど私、携帯も持ってなくて……連絡できなくて」



その言葉を受けて、脈を確認するべく清水を触知する。



「すぐ傍に警察車両がある。
 一台、出して貰えるように交渉する」


そう言うとそのまま、俺はその場を離れて車の手配を終わらせる。



「塔矢、助手席に乗り込め」

「すいません。お願いします」





俺の愛車の鍵を警察官に、時雨に渡して貰えるように頼んで
そのまま清水を運び込んで、後部座席へと乗り込んだ。



「鷹宮総合病院へ」



俺の指示で、パトカーはサイレンを鳴らして勢いよく走りだした。






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