相方
「亀さん、このネタ変わってるね。どっちが考えたん?」

俺らは練習が終わって雑談した。

「これは二人で作ったんや。てかこれ実話やねん」

「マジ?ありえへんよ。こんなん実話とかせこいで」

「まぁこれが二人の初めての出会いやったからな。だからネタにしたかったんや」


実は亀さんと相方はそれがきっかけで知り合ったらしい。

その後、お互いが同じ育成学校で学年が一緒なのを知った二人は意気投合して漫才を組むようになった。

いわゆる運命の人?ってやつ。

「へ~、その相方面白いね。亀さん今度紹介してよ。一回どんな人か見てみたいわ」


そう言ったきり、俺は亀さんの相方と会うことはなかった。
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