イケメン変人達に好かれると厄介です

変人(友達)の相手は苦労が絶えないんです…

「ねぇ、優！あのさっ！」

朝っぱらから元気百万で、話掛けてくるカナ。どうせ、ロクな事じゃないだろっと思い。明らかに面倒くさそうに。

「………何？」

「優って、どんな告白されたいとか、憧れの告白シーンとかある？」

「………はっ？」

なっ、何急に……。また、おっぱようって言ってくるんだと思ってた……。カナは、いつもバカな事しか言わないから、今時の高校生が話すような…。話がふってきた事は今日が初めて……。

「どんな告白？」

「えっ、えぇえ……。ふっ、普通に好きって……？」

「ぅわっ！ちょっと、聞きました？奥様！普通に好きってですって！夢無いわねー！」

「そうですねー！」

カナは、レンに話し掛ける。レンは、私達の話を聞いていたようで、直ぐにカナの言葉に反応した。

「……レン、男じゃん。……じゃあ、アンタ達は何よ！」

「私はね、『世界中の誰より、君を愛しているよ！俺は、君のブラックホールみたいな瞳に吸い込まれてしまったようだ…』って、言ってもらいたい！」

カナが、キャー言っちゃったー、と叫んでどっか行った。

「………カナって変だね。私、あんな事言われたら、鳥肌たって泣くよ。クサすぎて……」

「そうだね……。僕でも、あんな事は言えないよ……」

「えっ？そうなの？頑張ったら言えるんじゃない？」

「流石に、ちょっと……」

「だよね…。…レンの憧れの告白シーンは？」

「ぼっ、僕？」

「うん」

「ぇっと、僕はね…。うーん……」

「好きな人居ないの？」

「ぃゃ！いる！全然居ます！」

「何それ……。じゃあ、その女の子にされたい告白シーンは？」

「でも、その女の子、僕の事眼中に無いし…」

「そんな事無いと思うけど……。まぁ、良いから、妄想として！」

「うーん……。僕は『ずっと一緒に居たい』って言われれば、それだけで嬉しいな」

「へぇ、……。もっと、変な事言うのかと思った……」

「ひどっ！」

「ごめっ…」

私が、レンに謝ろうとしたら後ろから誰かに抱き付かれる。……制服じゃない……。スーツ……？…………。もしかして……。

私は、最悪な事態を想像して体が震えた。…恐る恐る後ろを、見ると最悪な人が私に抱き付いていた。

「キモいです！早く離れて下さい！！セクハラですよ！」

私に、抱き付いていたのは何故か南粋タキトだった……。

「うるさい！先生の言う事は絶対だ！」

「意味分からないですからっっ！！離れてー下さーいー！！」

「何だと？…今日、ケーキ屋さんが１００円引きだと？！それは買いに行かないとな！」

「先、生……。耳鼻科、行って…下さい……」

「ケーキ屋さんに、一緒に行こうだと？…しょうがないな！原野優の頼みなら仕方無い！鞄を持て！今、行くぞ！」

「死んでも先生なんかと、ケーキ屋さんに行きたくありませんから！」

「何だと！…ケーキ屋さんより、ウェンディングドレスのお店に行きたいだと？！…まっ、まだ早いぞ！俺は大歓迎だけっ…」

私は肘で南粋タキトの鳩尾を殴る。南粋タキトは、ぐおっとマヌケな声を出して私の椅子の後ろに倒れた。