イケメン変人達に好かれると厄介です
「えっ?何でタクシーが……」

私が、ビックリしていると。コンビニから、リイさんが携帯を閉じながら外に出て来た。

「タクシー呼びますって、優ちゃんが言ったから早い方が良いかなって思って、僕が呼んだん…だ?」

「ふざけるな!僕は、まだ帰らないぞ!」

「……じゃあ、アラタがやっぱりタクシーいりませんって言って来て…よ?」

「ふざけるな!運転手が可哀想じゃないか!呼んでおいて、やっぱりいらない!等と、残酷な事が、僕に言えるわけ無いだろ!」

「アラタなら、言える…よ?バカなんだから…さ?」

「お前は。そんな奴だったのか?!」

アラタさんが、私の耳元で思いっ切り叫んだ。私の耳が痛いのを我慢して道路の先を見ていると。見覚えのある人が、コンビニに車を止めた。

「……………」

車から出たのは、……。南粋タキト……。

「おぉ!原野優じゃないか!」

「……………」

私は、南粋タキトの事をガン無視する。って、何で南粋タキトがここのコンビニに居るの?!

「いゃぁー!本当に、ここで会えるとはな!正に、運命だな!原野優!」

南粋タキトが、私の隣で。がはははっと、笑い出す。

「どちら様でしょうか?」

「何だ?!原野優!誰だ!ソイツは!」

南粋タキトは、私の問い掛けにガン無視してアラタさんの事を指差した。

「……………」

「誰だ!ソイツは!原野優、答えろ!10秒以内に答えないと、金曜日に居残りさせるぞ!」

「高梁アラタさんです。私の知り合い…友達です」

金曜日は、リンさんとデートの約束だし。バイトあるし…。その前に、南粋タキトと一緒に居たくないし…。

「いや、違うぞ!優の彼氏だ!旦那だ!家畜だ!」

アラタさんが、南粋タキトの方に顔を向けて叫んだ。

「ちょっ、何か誤解を招くような事言わないで下さい!」

「何だと?!じゃあ、原野優!お前は、俺が居るのに浮気していたのか?!」

「先生と付き合った覚えが全くありませんから!!」

「「先、生…?」…って?」

「南粋タキト先生。私の高校の数学担当の教師です。因み、私のクラスの担任です…」

「確かに、それも真実で事実だ!だが、原野優と俺は、丈夫過ぎて困る位に丈夫な赤い糸で結ばれているんだ!」

「もし、それならば私はあらゆる手段で。先生が言う赤い糸を引きちぎります」

「残念だったな!百本位あるんだ!赤い糸はな!」

「そんなにあったら、小指がもげますよ…」

「現実を見過ぎだ!原野優!」

「妄想し過ぎです!先生!!」

「これは、妄想と言わない!想像だ!」

「殆ど、変わり有りませんね!」

「優さん、先生と仲良いんだね…」

「仲良くないです!」

「あぁ、そうだ!俺と原野優は!とてもとても仲良いんだ!」

リンさんが、苦笑いしながらコンビニから出て来て、意味不明な事を言ってきた。

南粋タキトの発言の方が、異常で意味不明だけど。
< 41 / 66 >

この作品をシェア

pagetop