イケメン変人達に好かれると厄介です
「……お兄ちゃんは、仕事で忙しいんです。だから、いつも、テスト前は友達に勉強を教えてもらっているんです」

チラッと、タクシーが少し気になって見ると…。いつの間にか、いなくなっていた。

……まぁ、当たり前だろう……。

「あぁ、木梱と心羅と凛土だろ?お前ら、いつも一緒に居るよなー」

南粋タキトは、私の隣でクスクス笑っていた。……何が、そんなに面白いのか……。って、いうか……。

「……何で、そんなに知ってるんですか……」

「そんな事は、どうでも良い!!」

「そうですか……。はぁ……」

「あっ、そうだ!優さん、じゃあ、今度俺達が勉強教えてあげるよ!」

リンさんが、私にニコッと笑い掛けた。

「ぃや、でも友達と……」

「その友達が許してくれるなら、その友達と一緒に勉強しよう?」

「……はい、では聞いてみます……」

……………。ちょっと待てよ?……私に、変人6人を相手に出来るのか?……優、もっと考えろ!お前に、変人6人を相手に出来るか?

精神が崩壊しないか?心は死なないか?私の意志は無くならないか?

………、そんな自信等………。有るに決まってる……。……多分、大丈夫だ……。多分……。

「うん。ありがとう、優さん」

「アイツらも変人だし…。気が合うかもしれない…。って事は、私に来るダメージは半端ないと思われる…。だが、私は。変人が周りに居たが精神が崩壊した事が一度も無い…」

私は、ブツブツと独り言をもらしていた。

「ちょっ、ちょっと?ゆっ、優さん?!どうしたの?!」

リンさんが私の事を心配してきた。…でも、今は、ちょっと無視。私には、イメージトレーニングをする必要がある。何故なら…。…イメージトレーニングをしないと本番で(変人6人が、合体技を出す時)…。確実に死…ぬ…。いや…殺られる…。

「おい!優!聞いてるか?!」

アラタさんの声で、若干意識を無くしていた私は。意識を取り戻す。

「なっ、……何ですか?」

「僕、もう足は大丈夫なんだが。まだ、優に抱きついてて良いか?」

「……駄目に決まってます」

私は、アラタさんから離れた。アラタさんは、一瞬バランスを崩したが直ぐにバランスを戻して普通に立った。

「優は、ケチクサいなー……。抱き締めても、何も減らないだろ!」

「アラタさんを支えていると、私の体力と寿命が減りますので」

「何だと?!僕は、一生優に抱きつけれ無いじゃないか!」

「一生抱きつかないで下さい」

…………、何か忘れてる事があるような……気がするのは……。気のせいか?

「……………」

私は、自分の周りを見渡す。……違うな……。手、足、腕、エプロン(コンビニの)。

「……………?!あ゙ぁぁあ゙ぁああぁ!!バイト中だったぁぁあぁああぁ!!!!」

「「「……………?!」」」

リンさん達や、先生がビックリした顔で私の事を見てきたけれど。そんな場合じゃなかった。私は、急いでコンビニの中に戻った。

「よっ、ヨト先輩?!まだ、ヨト先輩じゃないですよね?!」

私が、コンビニの中に戻ると。ヨト先輩が、私がやる筈の仕事をしてる途中だった……。

「……まぁ……、うん。優ちゃんが居なかったから。俺が、やってようかな、って思って……」

「すっ、スミマセンでした!!!」

私は、90度曲がったんじゃないかって。位に、腰を曲げてヨト先輩に謝った。
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