イケメン変人達に好かれると厄介です
「大丈夫、大丈夫。バイトは、協力しながら、するものだよ」

くっ……。眩しい……眩しいです!変人達とは、まるで違う!


ヨト先輩の優しい笑顔は、回復薬!変人達は、モンスター!私は、戦士…?!でも、無いか。…うーん。普通の村人?それは、それで嫌だな…。

「優ちゃん?怖い顔して、どうしたの?具合悪いの?」

「……へっ?いえ!何でも無いです」

「なら良かっ…」

ヨト先輩が、笑顔で私を心配してくれてる途中で。コンビニの自動ドアが開いた。

予想通りの、皆さんが居た。変人という名のモンスターが。

「優ー。バイトは、いつ終わる!」

モンスターアラタさんが、ボロボロのスーツ姿のままコンビニに入ってきた。

「優ちゃんは、約一時間位で終わりますよ」

回復薬のヨト先輩が、優しい笑顔でモンスターアラタさんに告げた。

「そうか……って、誰だ?お前は!」

「愛山ヨトです」

「……愛山ヨト?……そうか、よろしくな」

「はい。よろしくお願いします」

ヨト先輩、よろしくお願いしちゃうんだ……。回復薬は、モンスターと仲良くなれるのかな?

「ヨトは、優の事好きか?」

「あっ、アラタさん?!何変なことをヨト先輩に聞いっ…」

「はい。そうですけど。それが、何か?」

…………?!…あっ、後輩としてか。あー、ビックリした…。

「何だと?!じゃあ、お前も僕達とライバルか!」

モンスターアラタさんが、怖い顔で回復薬のヨト先輩に怒っていた。何故、怒っているのか理解不能だ。

「なっ、何だと?原野優の事が、好きだと?!残念だったな!原野優は、俺の嫁になる予定なんだ!」

モンスター南粋タキトは、相変わらずのバカであった。

「そんな予定は私にはありません。それに、ヨト先輩の好きは、後輩として、です。勝手に勘違いしないで下さい」

「なんだ…。良かった…」

モンスターリンさんが、安心の溜め息を吐いていた。

「本当…だね?ちょっと、ヒヤッとした…な?」

モンスターリイさんが、苦笑いをこぼしていた。

「だが、気は抜けないな!もしかしたら、ヨトは、嘘を吐いている可能性があるとみる!…本当の所どうなんだ!ヨト!お前は優に対して、どんな感情で好きなんだ?!」

モンスターアラタさんは、いつもと変わらずに訳の分からない疑問を人にぶつけていた。

「……………」

ヨト先輩は、ニコニコ微笑んだまま無言だった。

「何とか言え!ヨト!」

「…………。俺が優ちゃんの事好きで何か文句ありますか…?俺は、ずっと優ちゃんの事好きですので。お客様より優ちゃんの事知っている自信も、あります。というかですね。…失礼ですが…お客様より、俺の方が優ちゃんとお似合いだとも思っています」

ピキーンっと、コンビニ内の空気が凍った。それと、同時にヨト先輩以外の私達の顔が固まる。

まぁ、それも、そうだろう。優しい笑顔をしていたヨト先輩が急に。腹黒いオーラを、プンプン漂わせながら黒笑顔で、とても早口で話し出すのだから。
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