イケメン変人達に好かれると厄介です
「り、リンさん?!…だ、だだだ、大丈夫ですか?!」

リンさんに、声をかけても無反応。

何故か、気を失っている……。

私は、リンさんの体をゆっくり揺すった。

「…………んっ…」

「あ、リンさん……」

リンさんは、ゆっくりと目を開ける。私は、ホッとして、思わず頬が緩んだ。

「………あれ?俺………。あ、…………」

リンさんは、何かを思い出したようで。顔をまた真っ赤にさせた。

「リンさん…?どうしたんですか?」

あ、オムライスのケチャップついてる…。

「あ、ぇ、いゃ……、んむっ……?!」

私は、リンさんが話してる途中で。ティッシュで、リンさんの口元を拭いてあげた。

「………すいません。……ケチャップ…ついてたので…」

「ご、ごひぇんなひゃぃ………」

リンさんは顔をタコみたいに…、いや、タコ以上に真っ赤にして、手の甲で口元を隠してた。

「い、いえ……」

「ぇっと……」

「お酒、呑まないんですか?」

私は、この言葉を言ったことに、未来の私は後悔したことを、まだ私はしらない。


「の、呑みます!」

そう言って、リンさんは、半分以上残っているビールを一気飲みした。

「リンさん?!呑みすぎです!!!」

私は、リンさんから空になったコップを、取り上げる。リンさんは、コップを、取られて少しショボンとしていた。

「しょうりゃないりょー…。ゅうひゃんりゃ、にょめっれ……」

リンさんは、顔を真っ赤にしながら、私からコップを、取り戻そうと必死だった。

「…言葉の意味が理解出来ません。ちゃんと、……喋れないですよね……」

私は、リンさんに取られないように、立ち上がり。リンさんのオデコを押して、膝立ちのリンさんを無理矢理座らせる。

「……ビーリュ………」

「…リンさん。明日、お仕事なんですよね?…なら、二日酔いなんて、ダメですよ」

私が、聞いてしまったから。リンさんがビールを呑んでしまったんだけど……。

「…でりょ、にょみにゃい……」

「…呑みたくても、今日は我慢してください。…リンさん、大人でしょ?子供の私に、説教させないで下さい。リンさんは、立派な大人の人のままでいて下さいよ……」

そうだ。子供の私の軽はずみな発言で。悪くもないリンさんに説教しちゃって。…それで、綺麗ごとなんて。…私の自己満足みたいで、嫌だ。

ハッキリ言って。私は…子供だ。人の助けが必要で。守られてばかりで、迷惑ばかりかけているんだから。

「ゆぅひゃんは、りゅぅぶん、おひょなやよ……。こりょもにゃにょは、…おりぇ…やょ……」


「そんなこと……。…も、う。良いですから、ご飯食べましょう?」

「ぅん。しょうしゅりゅ……」

「じゃあ、改めて…。…いただきます…」

「いひゃりゃきまひゅ」

リンさん…、相当酔ってるな…。私が、リンさんの家まで送ってあげないと。大変だな…でも。…退屈はしないかも……。
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