イケメン変人達に好かれると厄介です
「本当に、お前達の事見損なったぞ!僕の話を無視して食べ続けてるし!僕の麺はのびるしな!」

ラーメン屋さんから、出るなりアラタさんは、私達に文句を言ってきた。

「アラタ人のせいに、しないで。アラタが勝手に熱く語ってただけでしょ?」

「そう…だよ?」

「私も、そう思います」

「もう、お前達は信用出来ないな!」

「やった。ライバルが一人減ったね?」

「うん、そう…だね?」

「勝手に、僕が優を嫌いになったと思い込むな!僕は、ちゃんと優が好きなんだぞ!」

「あの、恥ずかしいから大声で言わないで下さい」

私は、アラタさんの口を塞ぐ。結構身長差があって、私の手はギリギリアラタさんの口を塞げれる位だった。

「……………?!」

アラタさんは、何故か顔を赤くした。

「優さん、離してあげよう?」

「あっ、スイマセン」

私は、アラタさんから手を離す。ちょっと疲れた。

「いっ、息が出来ないじゃないか!心臓が、壊れるかと思ったぞ!」

「スイマセン」

「でも、今のはアラタが悪い…よね?」

「うん、うん。アラタが悪いよ」

「そうで…」

『さっさとしろよ!金出せって!』

急に聞こえた怒鳴り声に一瞬ビクッと体が震える。
私達の後ろで世に言うカツアゲが起こってた。絡まれてるのは、高校生位の気弱そうな男の子。

「ちょっ、優さん?!」

私の体は、勝手に動いた。カツアゲをされそうな男の子の前に私は、立ってた。

「カツアゲなんてバカが、する事だよ。ヤメたら?みっともないよ?」

「あぁあ?誰だテメェ…。黙れよ!」

カツアゲをしてた、男が私に殴りかかろうとした。私は、思いっ切り目を瞑った。
だけど、次に聞こえたは、男の悲鳴だった。

「ちょっと、女の子に暴力はダメでしょ?」

「本当…だよ?」

「お前は、罰当たりだな!」

「あっ、皆さん……」

「後、優さんも女の子でしょ?こういう時は、男の俺達に助けを求めないと…」

「そう…だよ?」

「本当だ!」

「スイマセン…」

月明かりに照らされてる、皆さんは不覚にも格好いいっと思った。

「チッ……。覚えとけよっ!!」

カツアゲをしてた男は、ブルブル震えながら、逃げていった。

「大丈夫だった?」

私は、カツアゲをされてた男の子に手を差し伸べる。

「…大丈夫です」

男の子は、私の手を掴んで立ち上がった。

「気を付けて帰ってね?」

「はい。ありがとうございました…」

あの男の子、どっかで見たことあるな…。でも、同じ高校の制服だし。もしかしたら、同い年かも…。

「ていうか、優!急に走るな!ビックリしただろ!」

「本当にビックリした…よ?」

「心臓が止まるかと思ったよ。殴られそうに、なったときは」

「スイマセン…。誰が、あの人の事を殴ったんですか?…あの人、凄い震えてた…」

「ん?…リイがやったんだよ?ね?リイ…」

「うん、僕が殴ったん…だよ?弱かった…かな?」

「リイは、柔道とボクシングやってたからな昔!凄い強かったんだぞ!」

「へぇ……。リイさん凄いですね。あの人が逃げていく位強かったなんて…」

この可愛い顔には、想像が出来ないな…。ボクシングやってたなんて…。

「ありがとう…ね?」

リイさんは、照れたのか髪の毛を触って視線を逸らした。

「じゃあ、世界の平和を守った所で帰るか!優、送っててやる」

「大丈夫です。お兄ちゃんが、迎えに来てくれますから」

私には、血は繋がって無いけど一人のお兄ちゃんがいる。両親は、悲しい事に、結婚して直ぐ死んじゃったんだ…。

私より、10歳上のお兄ちゃんはその時高校生で。一人で、私の事を育ててくれた。凄い優しいお兄ちゃんなんだ。でも……。

「あっ!!!優ーー!!!迎えに来てやったぞ!!」

ギュッと私に、後ろから抱き締める。…お兄ちゃん…。
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