あの夏の日と、私と、キミと。



悠貴の家に到着すると千秋が一呼吸おき、インターフォンを鳴らした。



「はーい」



扉の奥から聞こえる悠貴のお父さんの声。



やっぱり怖い。



手足が小刻みに震えるのがわかる。



すると千秋が手を握って「大丈夫だ」と言ってくれた。



不思議と震えは消え、真っ直ぐ前を見ることができた。



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