恋するplants


 明るくていつでも元気な小石川はクラスのムードメーカーだ。


 出席番号順でたまたま隣の席になった俺に小石川は興味を示したらしく、
1学期が終わるころにはお互いの家に行き来するような仲になった。


 11月の上旬に行われた学校祭では、アニメのコスプレしたい!と提案し、自ら海賊アニメの麦わら船長に扮し、多いにクラスを盛り上げてくれた。(ちなみに俺は金髪のコックに扮した)


 親友を得て、普通の学校生活を送れて、俺は小石川にとても感謝をしている。


 調子に乗るので本人には言わないけど・・・


 「ハンバーグ貰った代わりに俺の唐揚げ食う?」


 小石川は弁当の蓋を開けると中の唐揚げを1つ取り、俺の前に差し出した。


 全部で900kcalはありそうな小石川の弁当を見て、いいと首を振る。


 じゃあ、こっちをやると小石川は紙パックのヨーグルトドリンクをブレーザーのポケットから取り出し、俺の前に置いた。


 ノンカロリー、さすが小石川、わかってらっしゃる。


 お礼を言って、早速、パックにストローを刺すと、小石川は弁当を頬ばりながら、俺の耳元に顔を近づけた。


 「ずっと、気になってたんだけど・・・お前、春風と何かあったの?」

 
 小石川の一言にカウンターパンチで殴られたかのように動けなくなってしまった。


 俺とナズナの関係をまだ小石川には話していない。


 「何で?」


 「だって、前は結構、仲良さそうだったのに最近、全然喋んないじゃん?」

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