恋するplants


 確かに学校祭の前は休み時間に談笑したり、たまに一緒に帰ったりもしてた。


 「あと、嫌な噂も流れてるみたいだし・・・」


 「噂?」


 小石川は視線を下に向けるとあぁと頷いた。


 「学校祭の後夜祭の後で、たまたま教室に忘れ物を取りに来たクラスの女子が見ちゃったらしいんだ・・・春風がお前を罵倒してるとこ・・・」


 よりによってあの時かと顔をしかめる。


 学校祭の後夜祭の後、誰もいない教室で俺はナズナに草香よもぎとわらびを引き裂くのを辞めたいと打ち明けた。


 ナズナは逆上して、俺に暴言を吐き、激怒しながら教室を出て行った。


 いつも笑顔の可愛いナズナちゃんのそんな様子を見たらびっくりするに違いない。


 「そのクラスの女子って誰?」


 そう訊ねると小石川が名前を教えてくれた。


 クラスの中心的存在の子だった。


 ・・・確かナズナも同じグループだったはず・・・


 「でさ、心配なのは、春風が最近、女子からハブられてるっぽいんだよね・・・お前もさ、学校祭のイケメン選挙でG組の草香を抜いて1位になったじゃん?で、お前のファンの子とかの反感を買ったみたいで・・・」


 俺は教室を見渡した。


 仲のいい子たちがグループを作って、お昼を食べている。


 ナズナのいたグループ・・・ナズナの姿はなかった。

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