恋するplants
いつからなんだろう?
何で気付かなかったんだろう?
ナズナは俺にとって初恋の女の子だったのに・・・好きだったのに・・・
彼女の身の回りに起きた変化に気付かなかったなんて・・・
「ごめん、小石川・・・俺、ナズナを探してくるわ」
広げた弁当を片付けると、そそくさと教室を後にした。
★
屋上へと続く階段の踊り場でナズナは独り弁当を広げていた。
「ナズナ・・・」
声をかけるとナズナは驚いた顔をした。
階段を上ってナズナの横に座る。
「こんな寒いところで何で弁当食べてるの?」
「べ・・・別に・・・独りが好きだから・・・」
ナズナの顔を覗きこむ俺に視線を逸らしながらナズナは答えた。
嘘だ、小さい頃からみんなの中心で笑っていたナズナが独りが好きな筈がない。
「どうしてここに?」
「寒いし、外では食べないだろうなって思って、消去法で・・・」