恋するplants


 「前にも言ったけど、私は柊瑠璃、書道部の部長です。で、書道部員は2人を誘ってくれた豆田くん」


 長テーブルのパイプ椅子に座るお豆くんがメガネを光らせて片手を挙げる。


 「その横が、会計の栗山ちゃん、通称クリリン。その横が書記の栃木(とちのき)ちゃん、通称とっつぁん」


 お豆くんの横に座る茶髪のショートカットの先輩とその横の黒髪のぱっつん前髪の先輩がよろしくと頭を下げた。


 2人とも柊部長と同じように人柄の良さが顔に出てるのか柔らかい笑みを浮かべている。


 この間、柊部長のパフォーマンスをサポートしてた2人だ。


 1・2・3・・・と人数を数えて1人足りないことに気付いた。


 同じことを思ったのか丸太さんが柊先輩に質問した。


 「書道部って部員5人ですよね?後、1人は・・・?」


 「あぁ、松ちゃんね、この間はいなかったから・・・松ちゃん、起きて!」


 柊部長が後ろに向かって叫ぶと、部室の後ろ床に新聞がかけられた謎の物体がごそごそっと動き、新聞紙の中から熊のように毛深い大男が現われた。


 んぁ~と大きな伸びし、むくりと起き上がりのしのしとこちらに向かって歩いてくる。


 「彼が副部長の松茸(まつたけ)くん、通称松ちゃんよ!」

 
 「よろしく~」


 本当に高校生なのかとと思うような外見に戸惑いながら求められた握手に答える。


 以外に柔らかい手にびっくりした。


 「もうすぐ、白樺先生もお見えになるから、早速、書をかいてみましょう」

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