恋するplants


 その後ろにクリリン先輩とはつぁん先輩が続く。


 以外にも丸太さんが俺の隣にぴったりとついて走っていることに驚いた。


 「白根くんて以外に走れる人なのね」


 ぼそりと丸太さんが声をかけてくる。


 以外って何だ?とムッときたが、俺も今、彼女に対して同じことを思っていたので、何とも言えない。


 「最近、ジョギング始めたからかな?・・・丸太さんこそ、走るの早いね」


 丸太さんは片側の口角だけ引き上げると、運動は得意なのよ、以外にと答えた。


 自分の心の中が聞こえてしまったかのようで恥ずかしくなる。


 後ろを振り向き、


 「以外に松ちゃん先輩は走るの遅いんだね・・・」


 「そうね。そしてやっぱりというか豆田も遅いわ・・・」


 まっすぐ前を見つめて、丸太さんは呆れたように呟く。

 

 トラックを走り終えて、校庭の隅でストレッチをしていると松ちゃん先輩が汗だくでトラックから帰還した。


 「・・・運動嫌いだから・・・文化部に入ったのに・・・くそっ!」


 呼吸を乱しながら、怒っている松ちゃん先輩にタオルを渡す。


 体型だけでいったら柔道とかできそうなのにな・・・人は見かけによら
ないものだ。


< 112 / 459 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop