恋するplants


 「松ちゃん先輩、お豆くんは?」


 「え?豆田なら、俺のすぐ後ろに・・・あ、あいつあんなとこでぶっ倒れてやがる!」


 松ちゃん先輩の指差す方を見ると数十メートル先の所でエンジ色のジャージが地面に突っ伏しているのが解った。


 「お豆くん!」


 「ひぃちゃん、豆田が倒れた~」


 澄んだ寒空に俺と松ちゃん先輩の声が響いた。





  ★



 
 保健室のベットの横にスツールを持ってきて座っていると、お豆くんが目を覚ました。


 「あ、白根くん!」


 お豆くんはびっくりしてがばっと勢いよく起き上がったが空気の抜けた風船みたいに再びベットに倒れ込んだ。


 「軽い酸欠起こしたみたいだから・・・ゆっくり休みなよ」


 「白根くんがここまで運んでくれたんですか?」


 「正確には俺と松っちゃん先輩が・・・」


 「書道部のみんなは?」


 「部室。俺がここに残ったんだ」

 
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