恋するplants


 「・・・すみません、白根くんに迷惑を掛けてしまいました・・・」


 お豆くんは掛け布団を頭までかぶると背中を向けた。


 「いや、全然・・・何か、飲み物買ってくる?」


 お豆くんの後姿に訊ねると大丈夫ですとか細い声が布団の中から聞こえてきた。



 「・・・僕、ダメなんですよね・・・朝礼とかでも一番に貧血起こすタイプなんです・・・」


 ぼそぼそとお豆くんが語り出す。


 「・・・丸太さんにもかっこ悪いところを見られてしまいました・・・」


 丸太さん?何故、突然、丸太さんの名前が出てくるんだろうと思っていると、


 「僕、丸太さんが好きなんです・・・」


 お豆くんが答えた。


 「え!?そうだったの?」


 びっくりして思わず声が出てしまった。


 お豆くんが丸太さんを・・・


 「だから、パフォーマンス書道に誘ったの?」


 「それもあります」


 丸太さんとお豆くんは同じクラスだ。


 丸太さんはどちらかというと無口でどしんと構えているようなタイプの子だ。

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