恋するplants
彼女のことが気にかかってたものの、引っ込み思案な性格のせいでお豆くんは丸太さんと仲良くなるきっかけを逃してたらしい。
今回、公演をするにあたって、誰かヘルプを頼める人がいないかと柊部長に訊かれ、勇気を出して声を掛けてみたそうだ。
「前々から、力強い字を書く子だなとは思っていたんですけどね」
とお豆くんは続けた。
突然のお豆くんの告白に頭を後ろから叩かれたような衝撃を受けた。
彼も彼女と仲良くなりたく必死なんだな。
健気なお豆くんが可愛らしく見える。
「白根くんみたいに、カッコよくて、人気があって、走るのも早いし、字も上手い人には、僕なんかどうしようもない男に見えるかもしれないですね・・・す・・・好きな子の前で酸欠で倒れるなんて・・・」
「いや、そんなことないよ、俺だって劣等感の塊だから」
「白根くんが?」
お豆くんが寝返りを打ち、意外そうな顔をして俺の顔を覗きこむ。
メガネを取っているお豆くんはつぶらな瞳のかわいい顔をして
いた。
「中学生の頃は巨漢だったし、痩せたけどリバウンドが怖くて拒食症になるし、好きな女の子には振られてばかりだ。俺だって、かなりどうしようもない男だろ?」
「・・・そうですね」
お豆くんを見て微笑みかけると、お豆くんもくすりと笑った。