恋するplants
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保健室の一件で親近感が沸いたのかお豆くんは俺に打ち解けてくれたらしい。
相変わらず、同級生の俺に対して敬語だが、書道部について、色々と小ネタを教えてくれた。
おじいちゃん先生こと白樺先生は、定年を迎え、非常勤講師として日本史の教鞭を執っているが、週末には市民会館で書道講師として一般の方に書道を教えていること。
そのおかげで今回の桜まつりのイベント出演の話を持ってきてくれたこと。
松ちゃん先輩は1年生の頃から柊部長のことを好いていて、周りにはバレバレなのに天然なのか柊部長は全く松ちゃん先輩に興味がないこと。
クリリン先輩ととっつぁん先輩も松ちゃん先輩を応援しているがそれも全然効果がないこと。
そして、クラスにおいていかに丸太さんが魅力的を頬を赤らめながら語ってくる。
「どんどん、上手くなっていきますね。丸太さん」
柊部長の指導の下、基礎から書を黙々と続ける丸太さんを後ろの席から見ながらお豆くんが呟く。
・・・確かにまだ荒々しい部分はあるものの確実に上手くなってる。
丸太さんが上手くなっていくのは嬉しいけれど、正直焦る。
「白根くん、どうしました?」
お豆くんが心配そうに俺の顔を覗きこんできて、返事をしていなかったことに気付いた。