恋するplants
「いや・・・俺の爺ちゃん、書道教室の先生してたんだけどね」
「はい・・・それは以前聞きました」
「で、俺、爺ちゃんに書道を習ったんだけど、当時、幼稚園だったかな?小さかった俺に芹はのびのびした字をかくなって誉めてくれたんだ」
「ふんふん」
「でも、この間、白樺先生にはもっとのびのびとかいてごらんって言われた・・・それって、どういうことなのかなって思って・・・」
お豆くんは筆を置き、顎の下に右手をついた。
う~んと難しい顔をして首を捻るとたぶん・・・と声を発した。
「それは白根くんが成長したからですよ」
お豆くんは含み笑いをしながら答えた。
「きっと子供の時ってただかくのが楽しいんですよ。今だとそこに上手くかきたいって欲がついてきてしまいます。仕方ないことですけど・・・」
「確かに、あの時も上手くかかなきゃって思ってた」
「僕、2種類のタイプがいると思うんです。丸太さんや松ちゃん先輩のように感覚でかいてしまうアーティストタイプ柊先輩や栗山先輩、そして栃木先輩のように基礎をしっかり身につけて研究する努力家タイプ・・・」
白根くんも僕も後者のタイプなんですよね、どっちっていうと・・・お豆くんはうんうんと頷きながら続ける。
「努力家タイプもいいと思いますけど、でも今回のパフォーマンスって前者の方が向いてると思うんです。だからあの時、白樺先生は白根くんにそう言ったんじゃないですか?僕もよく言われるんです。小さく収まっちゃってるって」