恋するplants
収筆
★
「何これ?」
「巻き寿司よ」
「節分はとっくに終わったけど?」
「知ってるわ。バレンタインデーだからよ」
「普通、チョコだよね?」
「でも白根くん、太るものは食べないでしょ?」
「・・・そうだけど」
朝、登校したら下駄箱の前で丸太さんが仁王立ちしていた。
何かと思えばキャンディのように頭とお尻を捻ってラッピングされた丸々1本の巻き寿司を差し出してきたのだ。
すでに下駄箱の中に入っていたチョコレートらしき包みを数個、カバンの中につっこみ、丸太さんの差し出した巻き寿司を受け取る。
「まさか、生ものは入ってないよね?」
「レタス、アボガド、蒸しエビ、キュウリ、マヨネーズ・・・ヘルシーよ」
「あ・・・ありがとう」
「じゃ、また放課後」
丸太さんは踵を返してさっさと行ってしまった。
俺は呆然とその場に立ち尽くす。
酢飯はカロリー高いのに・・・