恋するplants
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「ハッピーバレンタイン!」
新聞演劇部の部室の扉を開くとわらびときのこがチョコレートの包み紙を俺に差し出してきた。
ちなみにきのこはわらびの親友で丸太さんとも小学校からの友達だ。
わらびの彼氏の親友である高木檜の彼女でもある。
「ありがとう・・・」
2人のテンションに気後れしながらも、チョコレートを受け取った。
「昨日ね、きのこの家で一緒に作ったの」
「今日だけはダイエットと言わずに食べてね」
きのこににっこりと微笑まれ、わかったと頷いてしまった。
「これから、書道部に行くの?」
「うん、イベントが近いからね。ここへはこれを置きに来た」
カバンの中から紙を数枚取り出した。
毎月の俺の担当の偉人の格言だ。
今回は筆でかいてみた。
なかなかの出来だと自賛する。
「ぼたん先輩に渡しといてもらえる?」
机の上に紙の束を置くと、きのこが了解と返事をした。