恋するplants


 「芹くん、イベントってどこでやるの?」


 わらびが大きな目をきらきらさせて俺に訊いてくる。


 「3月18日。市民会館で」


 「どこそこ?」


 「楓先輩んちの方だから訊けばわかるかも・・・川沿いにあるんだよね」


 「ふ~ん、わらびたち、芹くんとすみれちゃんの勇姿を見に行くからね!」


 わらびの笑顔に笑顔を返した。


 頑張って!と2人に応援されながら部室を後にした。




  ★




 「みんな、ちょっといいかな?」


 クリリン先輩が息を弾ませながら、部室の扉を勢い良く開けた。


 今日は机と椅子を端に寄せて、床で半切(はんせつ)と呼ばれる書初めに使う縦に長い紙で、まっすぐ字をかく練習をしていた俺は顔をあげた。


 隣で同じように筆を持つお豆くんも不思議そうな顔でクリリン先輩を見た。


 クリリン先輩は呼吸を整えながらホワイトボード前に立った。


 片手には紙の束を持っている。


 後から続いて、とつぁん先輩がMP3プレーヤーと携帯用の小さいスピーカーを持って部室に入ってきた。

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