恋するplants


 これで、よかったんだ。


 彼女はこれからも友達だ。


 一回、諦めると決めたんだ。


 もう、あの頃のようにナズナを思うことはできない。


 「ごめん、ナズナ。でもこれからもずっと友達だから・・・」


 誰に言うわけでもなく呟いた。




  ★




 暦が3月に変わると自由登校の先輩たちは、書道部の部室に篭るようになった。


 終業式が終わってからイベントの前日まで運動部の使用が終わる午後から体育館を使う許可がおり、いよいよ大きな紙にかく練習ができるようになる。


 本番では俺たちが書のパフォーマンスをする前で生のライブを披露してくれるアイドル部ともその時に合わせる予定だ。


 柊部長がホワイトボードをばんと叩いてみんなの注目を集めた。


 ボードの真ん中にはパフォーマンスでかく予定の書を縮小版でかいて
あった。


 おじいちゃん先生がゆっくりとホワイトボードの前に移動した。


 「先輩たちの卒業式も近づいてきて、終業式が終わって、春休みが始まったらいよいよ、本番に向けての練習が始まります」


 おじいちゃん先生は一人一人の顔を見ながら話を続けた。

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