恋するplants
お婆さんのバックを取り戻していい気分だったのに、目の前に立つ生意気な少年のせいでせっかくの気分が台無しだ。
自分がまいた種なんだけど・・・めんどくさいなと思いつつ、どうしたら許してもらえるかな?と訊ねる。
「・・・解れば良いよ」
と少年は意地悪い笑みを浮かべた。
数分後、私は○○駅前にあるファミレスにいた。
私の前にはオレンジジュースが、向かい合って座る少年の前にはステーキセットが置かれている。
私は頬杖をつきながらため息をついた。大好きなアイドルのDVDを買おうと思ってたのに・・・ついてない。
ステーキにぱくつく少年を眺める。
かわいい顔をしているものの性格は最低とみた。
小学生だと思うけど何年生なんだろ?
背が低い。
11月の下旬で外はだいぶ寒いのに髪が濡れている。
さっき、後ろを歩いたらとほのかに塩素の匂いがした。
「スイミングスクールに通ってるんだ。××駅の。」
ふと思ったことを見透かされたようで、何で?とどぎまぎしていると、少年はにかりと笑った。
「さっきから俺の頭を不思議そうに見てるからさ。何で濡れてんのか気になってんだろ?」