恋するplants


 ★


 「つづきまして、△△高校書道部とアイドル部によるパフォーマンスです」


 抑揚のないアナウンスが流れ、会場がざわめいた。


 ARAREのメンバーが先陣を切ってステージへ向かうと観客席からキャ~と黄色い声が聞こえた。


 足袋を脱ぎ素足になり、簡素な舞台袖からこっそり観客席を覗いた。


 さっきのカラオケ大会ではちらほらだった観客席が全て埋まっている。


 それどころか観客席の奥にも人だかりができていた。


 ほとんどはARARE目当ての同校の女子生徒たちだと察しはつくが思ってた以上の人に驚いた。


 俺は演劇部に所属してるので人の前で何かをすることには抵抗はないのだが、隣のお豆くんは予想以上の集客に緊張がピークになったのかぶるぶると震え出した。


 大丈夫かなと心配しつつ、声をかけようかと思ったらクリリン先輩に行くよと呼ばれてしまった。


 そのままステージに向かう。



 
 ステージにはすでに巨大なビニールシートの上に大きさ4m×6mの紙が敷かれ、後で観客席に見せられるように紙を起こすため、物干し竿のようなアルミの長い棒が紙の両端に固定されている。


 ARAREがステージを降り、観客席の前に配置し、俺たち書道部の面々がステージの後方に一列に並んだ。


 柊部長の、


 「よろしくお願いします」

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