恋するplants
と気合いの入った声で一同が頭を下げ、それが合図で曲が始まった。
この冬、どんなアーティストの曲よりも聞いたARAREの曲が流れる。
いよいよパフォーマンスのスタートだ。
ARAREのメンバーがラップに合わせてダンスをしているのを横目に大きな紙の中心にまず、松ちゃん先輩が桜色で「旅立ち」の文字をかく。
インクを吸った筆をタライに載せて松ちゃん先輩とお豆くんが紙の上を走る。
お豆くんは緊張が解けないのか足元がおぼつかない。
「はい!」
松ちゃん先輩が太い声を発し、筆を掲げた。
ARAREの曲に合わせて踊るように書をかいていく。
ARAREを見に来た子たちが松ちゃん先輩に釘付けになってるのが解る。
観客席の中にわらびときのこを見つけた。
向こうもこちらに気付いたのか手を振ってくれた。
手を振る代わりに微笑み返す。
少し緊張がとれたみたいだ。
のびのびと自由に思い切りかこう。
「はい」
「はい」
同時に声を掛け合うと俺は自分のパートに取り掛かった。