恋するplants


 「俺はひぃちゃんを3年間好いとった。よ・・・よかったら、俺の彼女になってくだせぇ!!」


 松ちゃん先輩がよくわからない方言で告った。


 柊部長をはじめ、前を歩く女子がみな、呆気に取られた表情をしている。


 何故ここで、このタイミングで告るんだ!


 それ微妙ですと松ちゃん先輩につっこみたくなった。


 暫らく沈黙が続き、気まずい雰囲気が流れる。


 柊部長はにっこりと微笑むと、


 「ごめん、松ちゃんが彼氏とか無理~、でも、ずっと友達だから!」


 右手を口元に添えて叫んだ。




  ★




 「じゃあ、打ち上げは後日ってことで・・・」


 柊部長はそう言うと何こともなかったかのようにクリリン先輩、はっつぁん先輩そして丸太さんを引き連れて帰って行った。


 俺と松ちゃん先輩とお豆くんは青春ドラマのワンシーンのように午後の日差しが注ぐ河川敷の原っぱに腰を下ろした。


 「先輩、柊部長だけが女じゃないですよ。大学生になったらかわいい女の子がいっぱいいるはずです!」


 「・・・うるせぇよ。お前だって丸太さんのことが好きなくせに、告白する勇気もないだろ?」

< 149 / 459 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop