恋するplants
「乾かさないの?風邪ひくよ・・・」
「面倒くさい。それより、ちえりの学校も××駅なんだろ?」
「そうだけど・・・」
っておい!何で私の名前知ってんの?口をぱくぱくさせて声にならない声を出していると、少年は大声で笑い出した。
「いいね、その反応!・・・さっき、ちえりがカバン投げた時、これが落ちたんだよ」
少年はパーカーのポケットから生徒手帳を取り出した。
つーか、さっき、カバンと一緒に返してよと手帳をひったくる。
最悪の気分だ。
「滝本ちえり・・・中2かぁ・・・俺より4つ年上だ。」
4つ下・・・ってことは小学5年生?・・・ガキにからかわれてる私って・・・イライラしながらオレンジジュースを飲む。
突然、少年の携帯が鳴り、彼は電話を始めた。
今、ファミレスにいるとか、そう、駅前のとか嬉しそうに話をしている。
電話に夢中になっている隙に帰ってしまおうかと悩む。
少年は話をしながら私の肩越しに知り合いを発見したのかこっちと右手を大きく振った。
私も思わず振り返る。
ぽろりと口に入れてたストローが床に落ちた。
そこにはよもぎさんが立っていた。