恋するplants
「おはよう、芹」
私も彼に笑顔を返した。
「同じ電車だったんだ?」
「ね、ところで立ち止まって何見てたの?」
「新入生、若々しいなと思って」
年寄りかよと隣を歩く芹が笑い声を上げた。
駅から学校まで続く一本道を芹と歩いている。
「クラス離れちゃったね」
「そうだな。でも、ナズナは小石川と一緒だろ?」
「そうだけど・・・」
そうだけど、芹と一緒のクラスになりたかったよと言いそうになり口塞いだ。
「あ、ちょっといい?」
芹が立ち止まり私の頭に触れた。
何?と上目遣いで芹を見ると桜の花びらを私に見せて、
「ナズナの頭についてた」
と屈託ない笑顔を見せた。
とくんとまた鼓動が聞こえた。
芹のその笑顔がとても好きだ。