恋するplants
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「まただ・・・」
目の前に萎れた雑草が飛び込んできて、更に気分が滅入る。
新学期が始まってから毎日、私の下駄箱にはそこら辺に生えている雑草、何て言うんだっけ?名前が出て来ない。
真ん中が黄色くて、細かく淡いピンクの花びらが周りを囲んでいて、そんな丸くて小さい花がついている雑草が下駄箱の中に置かれている。
「ビンボウ草ね」
隣で上履きに履き替えていた丸太が私の下駄箱を覗きこんで答えた。
「その花を折ったり、摘んだりするとビンボウになると言われている花ね」
マルタはいらん説明までしてくる。
そんな花を毎日贈られる私って・・・完璧嫌がらせじゃないか。
私はマルタを無視して、萎れた「ビンボウ草」を掴むと近くのゴミ箱に投げ捨てた。
全く、誰がこんなことを?1年の時、私をシカトしてたあいつか?ダメだ、わからない。
私を嫌いな人なんていすぎるし、誰かやった?と考えを巡らすことにもうんざりしてくる。
こういう時は無視するのが一番。
「おはよう、春風。何か不機嫌じゃね?」