恋するplants
彼は学園アイドル
★
今日は明け方から雨の天気で、お昼休みの今でも窓の外では雨が降り続いている。
せっかくの桜もこれで一気に散ってしまうのかと思うと切ない。
いつもはふらっとどこかに行くマルタが今日は隣の席で重箱の弁当を広げている。
さっきから横目にちらついてくるのがウザい。
私は自分の席で、小石川が前の席に座り、体をこちらに向けて一緒にお弁当をつついていた。
「そういえば、ARAREの曲は聴いたの?」
マルタが唐突に訊いてきた。
コイツ、一緒に弁当食べてる気でいる?勘違いなんですけど。
「聴いたけど何?」
ぶっきらぼうに答えるとマルタは表情を変えずに、どうだったの?と続けて訊いてきた。
「どうもこうも・・・何かダサかった・・・」
そうとマルタは唇の端を引き上げた。
笑っているのだろうか?向かい合って弁当をつついている小石川が、
「何?曲って、何の曲?」
と興味津々に首を突っ込んできたので、仕方ないなとため息をついて机の中からi p○d を取り出した。
小石川の耳にイヤフォンをはめると再生ボタンを押した。